常にお客様と自分の芸に真摯に向き合っていて、すごいなぁ…と。これが当たり前のように見えて難しいのです。
漫画家も、お客様と作品が一番大事なのは分かっているのに、つい「売上が」「アンケートが」「他の漫画に比べて自分は…」と、悩んでしまう。
そんなのお客様と作品の出来には関係ないのに、日々忙しく働いてるうちに忘れてしまう。
「自分は本当に何がしたかったのか?」という事…。
<※ここからトークの内容なので、問題があったら後日消します>
バラエティ番組で定番になっている、街中や田舎で一般人に突然話しかけて巻き込む系コーナーの先駆者は、越前屋俵太さんなのだそうです。
最初にその企画を、関東のどの局に持ち込んでも「一般人なんか見ても誰も面白くない!」と総スカン食らっていたのを、地方局に持ち込んで成功させたのだそうです。
完全にオファー無し・仕込み無しで一般人相手にやったから面白い番組だったのに、他局で真似するようになると仕込みが入る。
映画化のオファーもあったが、ドキュメンタリーなのに「売れてる俳優を使って、撮り直す」と言われた。
「普通の人の話に耳を傾ける」という最初の趣旨が消え、「売れるコンテンツ」として扱われるようになる。
…ビジネスになると、こうなってしまうのはよく分かります。
俵太さんはこの企画を「世の中の誰にでも、その人のドラマがある」と仰ってました。
作られていないドラマだから、人の心に響いたのに、作ったらそれは嘘になってしまう。
「でも、例え嘘でも、それが発端で本物が生まれる可能性もあったかもしれない。なら映画化のオファーも受けてみれば良かったけど、当時はまだ若くて、その考えに至らなかった。」と。
素敵だなあ…。
ここまでの話で一度も「あいつらパクりやがった」「俺の企画なのに」という恨み事が出ず、ただただ自分なりの、お客様に嘘のないエンターテイメントを追い求めている姿が本当に素敵で、最近世俗の汚れで詰まっていた心のフィルターが洗われた気持ちでした。
越前屋俵太 公式ウェブサイト
http://etsuzan.jp/blog
2017年08月06日
越前屋俵太さんのトークを聞いて来ました。
posted by 文豪さん at 20:56| 日記