先日、サンテレビで8話の再放送がありました。
8話は作者も思い入れのある回なので、少し思い出話をさせてください。
構成の段階で、脚本の吉岡さんから「『潮騒』の少女と『てのひら』のおじさんを親子にします」と伝えられた時、実は少し不安でした。
完全に別々の話として描いたのに、取ってつけたような設定にならないだろうか?
でも、実際上がってきた初校は見事に再構成された物だったので、一つだけ「あの嘘つき少女が嫁に行って幸せになるのは違う気がするので『独立して好きな事をやっている』と、変えてください。」と。
ここで設定が変わり、少女は絵が好きで、絵本作家になったというラストに繋がったのだと思います。
話はズレますが、原作の「潮騒」は大変苦しんで描いた物でした。
数年前、海で亡くなった従妹が、どうすれば死なずに済んだのかを悩みながら描きました。「潮騒」では、仲間が一人でもいれば生きていけるというラストでしたが、それが答えかは分かりません。
従妹は絵が好きでした。「イラストレーター目指せばいいじゃん」と私が言うと「プロなんて無理だよw」と笑っていました。
そんな会話も忘れた頃に、吉岡さんは、少女が大人になって絵本作家になる物語を書いてきてくれました。
当然、吉岡さんは従妹の事など知りません。
「絵本に作者名を入れるので、少女の名前を教えてください」
「では、松本礼にしてください。礼と書いてアヤと読みます。」
亡くなった、従妹の名前でした。
長年漫画を描いてきましたが、「物語の持つ力」というのを改めて感じました。
作り話の中なら、どんな夢だって叶えられる。もう居ない人の未来だって描ける。
「潮騒」の少女が嘘ばかりついて、現実を楽しく変えていったように、私はこの先もずっと、幸せな夢物語を描いていこうと思えたのです。
2019年05月24日
アニメこのはな綺譚8話の裏話
posted by 文豪さん at 11:32| 日記
2018年04月22日
このはな綺譚スペシャルイベントありがとうございました!
21日の東京は夏日でしたが、暑い中沢山の方にお越し頂き、ありがとうございました!
昼と夜で内容が変わっていたので、両方ご参加のお客さまにも、喜んで頂けた事と思います。
ちなみに昼の部で「関係者席にいた着物姿の人が天乃さんですか?」「ノリノリでペンライト振ってたのが天乃さんですか?」って聞かれるけど、それは黒澤さんご姉妹ですね(•ө•)
女性の関係者、3人しか居なかったのに黒澤さん姉妹のキャラが強すぎたね!
今回はキャストの皆さんの舞台なので、岡本監督や私や吉岡さんはノータッチだったんですが、お陰で普通にお客として楽しんでました。
でも久保田ちゃんを見る高橋助監督の顔が、授業参観のお父さんみたいでした。
こういう形で此花亭を遠くから見ていると、作者の手を離れた先でも色んな人に愛されて、柚たちは本当に幸せ者だなぁと、何度か涙しました。
泣いてても大体、緒方恵美さんが笑わせに来るので、すぐ引っ込みましたが。
イベントの中でもぬーさんが言ってましたが、女将役の緒方さんがいて、同期の声優さんや後輩ちゃんがいて、本当にアフレコ現場も此花亭の関係そのままで、傍で見ていても幸せな時間でした。このキャストの皆さんで、本当によかった…。
アニメ関連はこれで一区切りですが、アニメ制作の皆さんが今でも続きを作りたいと言ってくださるのは本当にありがたい事です。
勿論、続きがあれば嬉しいですが、それよりも、この人たちともう一度一緒にお仕事がしたいというのが本音です。
それぐらい、物づくりに真摯に向き合っている方々で…だから今も寂しくはありません。
これから先も、あの人たちは実直に作品を作り続けるのだろうし、それは私も同じなのです。
走ってる場所が違うだけで、同じように走ってる仲間がいると思えば、これからも挫けずに頑張れます。
既にみんな新しいアニメに携わって、私は相変わらず此花亭の一室にカンヅメされて漫画を描いて、別々の場所を進んでいます。
それでも、いつかまたご縁があるかもしれない。
その時に、「これは是非映像化したい!」と思って貰えるような、面白い漫画が描けるよう、精進していきます。
アニメ「このはな綺譚」にここまでお付き合い頂いた皆様、本当にありがとうございました。
続きは、漫画「このはな綺譚」でお楽しみください!
昼と夜で内容が変わっていたので、両方ご参加のお客さまにも、喜んで頂けた事と思います。
ちなみに昼の部で「関係者席にいた着物姿の人が天乃さんですか?」「ノリノリでペンライト振ってたのが天乃さんですか?」って聞かれるけど、それは黒澤さんご姉妹ですね(•ө•)
女性の関係者、3人しか居なかったのに黒澤さん姉妹のキャラが強すぎたね!
今回はキャストの皆さんの舞台なので、岡本監督や私や吉岡さんはノータッチだったんですが、お陰で普通にお客として楽しんでました。
でも久保田ちゃんを見る高橋助監督の顔が、授業参観のお父さんみたいでした。
こういう形で此花亭を遠くから見ていると、作者の手を離れた先でも色んな人に愛されて、柚たちは本当に幸せ者だなぁと、何度か涙しました。
泣いてても大体、緒方恵美さんが笑わせに来るので、すぐ引っ込みましたが。
イベントの中でもぬーさんが言ってましたが、女将役の緒方さんがいて、同期の声優さんや後輩ちゃんがいて、本当にアフレコ現場も此花亭の関係そのままで、傍で見ていても幸せな時間でした。このキャストの皆さんで、本当によかった…。
アニメ関連はこれで一区切りですが、アニメ制作の皆さんが今でも続きを作りたいと言ってくださるのは本当にありがたい事です。
勿論、続きがあれば嬉しいですが、それよりも、この人たちともう一度一緒にお仕事がしたいというのが本音です。
それぐらい、物づくりに真摯に向き合っている方々で…だから今も寂しくはありません。
これから先も、あの人たちは実直に作品を作り続けるのだろうし、それは私も同じなのです。
走ってる場所が違うだけで、同じように走ってる仲間がいると思えば、これからも挫けずに頑張れます。
既にみんな新しいアニメに携わって、私は相変わらず此花亭の一室にカンヅメされて漫画を描いて、別々の場所を進んでいます。
それでも、いつかまたご縁があるかもしれない。
その時に、「これは是非映像化したい!」と思って貰えるような、面白い漫画が描けるよう、精進していきます。
アニメ「このはな綺譚」にここまでお付き合い頂いた皆様、本当にありがとうございました。
続きは、漫画「このはな綺譚」でお楽しみください!
posted by 文豪さん at 21:57| 日記